ドント・ヒア・イット








小さい頃。
本当に、小さい頃。
俺と共に行動していた子供が死んだ。
どんどん目から光が失われていく様を見ながら、あぁ、こんなものか、と思った。
人の命は、涙が出るほど、やわい。
蝋燭の炎をフッと吹き消すように、瞬く間になくなってしまうんだ。
あの時のアイツの顔。助けを求めて空を切ったその手が。
この目に焼きついて離れない。









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